Q4. NPO法人になるということは、世間(行政を含む社会一般)からお墨付をもらった(認知された)ことになりますか?

A4.

既にNPO法人の認証を受けた団体も含めてかなり多くの方が、このような誤解をされていますが、残念ながら正しい認識とは言えません。一般市(県)民の縦覧を含め、所轄庁は、書類審査のみで法人設立申請の認証・不認証を決定し、申請団体の活動内容を実際に調べたり、評価したりするわけではありません。申請書類の記載内容さえ所定の要件を満たせば、認証されることが殆どです。従って、認証されたからといって、このことだけをもって、「社会貢献度の高い活動をおこなっている優秀な団体として世間から評価された」わけでは決してありません。
大都市圏では、書類審査をいいことに、反社会勢力等がNPO法人格を「隠れ蓑」に、詐欺や恐喝等の違法行為をしていた例が実際にありました。(当然のことながら、この団体は、所轄庁から認証を取り消された上、刑事事件としての処罰を受けました。)
このため、「市民が行う自由な社会貢献活動は、行政による監督ではなく、市民によってチェックされることが望ましいという考えから、NPO法では法人の情報公開を義務づけるとともに、縦覧・閲覧制度を取り入れています。従って、この法人制度は、所轄庁が「お墨付き」を与えるというものではなく、個々のNPO法人の信用は、法人の活動実績、情報公開等により、自ら築き上げることになります。」との注意書きをホームページに掲載し、「認証を受けたからといって、必ずしも社会から認知されたわけではない」ことを強調していた例が過去にはありました。

その団体が優れているかどうかは、法人格の有無だけでは判断できず、通常、事業・活動の内容で評価されるのが妥当であるべきです。一方、社会貢献度が非常に高い事業を実施している、法人格のないボランティア団体や会社があります。いずれにせよ、公開されている情報などをもとにして、その団体がどの程度信用できるかを市(県)民一人一人が判断することが求められています。

一部のNPO法人に先述した例があったということだけで、素晴らしい活動を行っているNPO法人があることは疑いようはありません。誤解のないようにしてください。